任意後見と法定後見の違い 

日本のような高齢化が進んでいる社会では、相続が行なわれる際に認知症や痴呆症などの症状を持った相続人がいることも決して珍しいことではありません。認知症や痴呆症の症状に関しては個々の人たちによってその症状の重さは異なってきますが、相続が行なわれる際に重視されるのが本人の意思能力となってきます。

仮に相続人の中に認知症や痴呆症などの症状を持った人がいたとしても、遺産分割協議を行なう際にその人を無視することはできません。しかしながら、意思能力のない、あるいは意思能力の欠けた人を遺産分割協議の場に参加された場合、他の相続人の考え方次第では自分たちに都合のいい遺産分割協議が進められてしまいかねません。

そのため、認知症や痴呆症の症状があり意思能力がない人に対しては、遺産分割協議において不利益とならないように成年後見人という制度が設けられています。この制度では自分で物事を判断することが難しい人に対して後見人をつけることができるため、自分の意思とは関係なく遺産分割協議が進められていくことを防ぐことができるようになります。

成年後見人には、『任意後見』と『法定後見』のふたつがあります。
前者の場合、本人の判断能力が低下してしまう前に信頼できる人物と契約を結んでおき、判断能力が失われた際には家庭裁判所に監督人を選任してもらうことになります。

『法定後見人』の場合、本人や親族等が家庭裁判所に申立を行うことで法律上で定められた後見人を選任してもらうことができます。